マカオのカジノ内部で発覚した詐欺事件、従業員と夫婦が会員ポイントを不正に利用
マカオのカジノの多くは、航空会社のマイレージプログラムに似た会員制度を導入しており、プレイヤーはテーブルゲームやスロットマシンでのプレイに応じてポイントを獲得できます。これらのポイントは、ホテルの無料宿泊やフェリーチケットなどの特典と交換可能です。
しかし、このシステムを悪用する不正行為も稀に発生しています。
2024年3月8日、マカオ司法警察局は、コタイ地区の統合型リゾート(IR)にあるカジノの元従業員(ピットボス)である51歳の男性と、不正に得たポイントを特典と交換したマカオの夫婦(夫59歳、妻58歳)をサイバー詐欺の容疑で逮捕し、検察院に送致しました。また、少なくとも2人の共犯者が逃亡中であるとして、警察は彼らの行方を追っています。
この事件は、2023年11月30日にカジノからの通報により発覚しました。通報によると、ピットボスと顧客が共謀して電子データを改ざんし、約528万円相当のギフトを不正に取得したとのことです。
捜査の結果、ピットボスが勤務中に職務を悪用し、共犯者である夫婦や他の仲間のポイントを不正に登録していたことが判明しました。彼は、平均ベット時間と金額を虚偽に記録し、その偽造ポイントを使ってフェリーチケット、食事券、プロモーションチップ、キャッシュリベート、ホテル宿泊、商品などと交換していました。この虚偽記録は、少なくとも130回にわたって行われたとされています。
逮捕された3人は、取り調べや資料提供への協力を拒否しています。ピットボスの自宅からは、事件に関連すると見られる約19万円相当の現金が、夫婦の自宅からは約57万円相当の商品が発見されました。