マカオ司法警察局、カジノチップ強奪と虚偽報告で中国人を逮捕

マカオの司法警察は3月8日、いわゆる「換銭党」に属する違法な両替業者の女性から大量のカジノチップを盗み、逃走した後、その女性に暴力を加え、さらに警察に虚偽の報告をしたとして、中国本土出身の無職男性（23歳）を逮捕したと発表しました。

この事件は3月4日午前1時ごろ、コタイ地区の統合型リゾート（IR）にあるホテル内で発生しました。2人の男性と1人の女性から合計80万香港ドル（約1500万円相当）のカジノチップが奪われたとの通報がありました。

警察が現場で通報者の男性と指名された3人に接触して事情を聞いたところ、実際の被害者は通報者ではなく、相手方の女性であることが判明しました。この女性は違法な両替活動に関与していることを認め、通報者の男性と両替取引のためにホテルの客室で会った際、チップをテーブルに並べて写真を撮るよう求められた後、男性がチップを奪って逃走し、女性の夫とその友人が追いかけて揉み合いになり、最終的にチップを取り戻したものの、その後、男性が自分を被害者として警察に通報したと述べました。

容疑者は警察の調べに対し、カジノでの損失を取り戻すために両替を装って相手から強盗を試みたが、失敗に終わり、自分を被害者とする虚偽の報告をしたと供述しました。警察はこの男性を財産強奪、暴力行為、虚偽報告などの罪で検察に送致する予定です。

マカオのカジノでは主に香港ドル建てのチップが使用されるため、中国本土から訪れる旅行者は香港ドルやチップへの両替が必要になることがあります。マカオのカジノ内外では以前から換銭党が活動し、関連する犯罪が頻発しているため、警察はこれらの活動を治安悪化の主要因と見なし、取り締まりを強化しています。また、訪問者に対しては詐欺被害を避けるために正規のルートで両替を行うよう呼びかけています。